村松千裕選手 2020年8,9月 活動報告

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8月、9月はヨーロッパで全部で5大会に出場しました。何カ月か前は本当にツアーが再開されるのか想像がつかなかったですが、まず今この状況で色々な対策をしながら大会を開催して頂き、まだ遠征に行きたくても行けない選手達が沢山いる中で試合ができたことに感謝したいと思いました。
最初の2大会はチェコでWTA125000ドルとITF25000ドルに出場しました。両大会ともにPragueで行われました。今までの大会とは違い、観客がいなかったり、ホテルでのブッフェ形式の食事では決まった人に取ってもらう形になったり、プレー中以外は常にマスクをつけての生活で、今の状況の深刻さを改めて感じました。でも、WTAのような大きな大会とITFの大会では感染対策の度合いに少し差を感じ、自分自身でより気を付けていかないといけないと思いました。
今回は全仏オープンで結果を出すことを一番の目標にして臨んでいきました。1大会目から大きな大会で約半年ぶりの試合だったので、どのような感じになるか自分でもわかりませんでしたが、まず初戦を勝ちからスタートできて、安心したという気持ちでした。試合がない期間、上手くいかないことが多かったり、練習の成果を試す場がなくて不安が続いていましたが、どんな内容であれ勝ちをものにできたことで、やってきたことは間違っていなかったんだなと思うことができました。そして今まで結果を出せていなかったヨーロッパのクレーコートで格上の選手に勝てたことがなにより自信になりました。試合をやっていく中で新しいことにトライして成功したこともあり、良い発見ができた大会でした。この何カ月かでやってきた体づくりの成果も試合を通して感じることができました。

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3、4大会目はフランスで、ITF80000ドル(CAGNES-SUR-MER)と全仏オープンに出場しました。最初の大会はすぐ近くに海がありとても綺麗で、いつか旅行で来てみたいと思う場所でした。グランドスラムでは、ウィンブルドンの中止が発表され、全米オープンも本戦のみの開催になる中、全仏オープンはどうなるのか不安がありましたが、プレーすることができて本当に良かったです。今回は人数制限ありで観客も入れての開催でしたが、いつもの賑わい具合に比べると予選の期間は特にだいぶ静かな感じでした。ジュニアでプレーした以来初めての全仏オープンで、戻ってこれたんだという気持ちになりました。でも今年の全豪オープンでプロになって初めてのグランドスラムを経験して、ここでもっと勝ちたいという気持ちが強くなったので、今回は結果に対しての目標が高くなっていました。1回戦から独特なプレーの選手が相手で、なかなか自分のプレーをさせてもらえなかったり、リードしても取り切れないところがあり、プレーの幅を広げていくことや、相手を見ることの重要性を感じました。やっぱりグランドスラムでの負けは特別悔しかったです。目標の位置が上がるほど、勝ちたいという気持ちだけではなく、自分がやるべきテニスをやり続けようとする気持ちがどのレベルで戦うにも本当に大切だと思いました。その先に結果もついてくると信じてやり続けたいと思います。
全仏オープンが終わり、最後はPorto(Portugal)25000ドルに試合に出場しました。ポルトガルは初めて行ったのですが、コロナのリスクがあるためホテルと会場の移動のみで食事も毎日デリバリーをしていたので町の様子や食事が楽しめなかったことは少し残念でした。
この週だけはハードコートで切り替えが難しいと思っていましたが、前より早くコートに馴染むことができました。クレーコートで学んだことを生かせて苦しい状況から勝ち切れた試合は自分にとって大きかったと思いました。

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長い遠征になればなるほど上手くいく週、そうでない週があって、その中でも勝ちに繋げるためにはプレーの考え方や気持ちの波を少なくしていくことや、良くない時に修正する力が大切になると改めて感じました。久しぶりにツアーに出て、勝っていくためには試合以外のことでも大事なことが沢山あると気付かされた遠征でした。

村松 千裕

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